Sunaga t Experience

国産最強ジャズ・レーベルを須永辰緒がディグする。
「夜ジャズ digs Venus Jazz Opus 1」10/14リリース
　
1992年の設立から約20年、ヴィーナス・レコードは自らの企画で欧米のジャズの新録をリアルタイムで日本へ届け続けている。ピアノ・トリオ、ワン・ホーンなどの編成が主で、スタンダードのカヴァーやバラードを中心に落ち着いて聴くことができる作品が多く、日本のジャズ・ファンの嗜好にうまく合致していると言えよう。名の知れた大物、モダン・ジャズ黎明期からのヴェテラン、脂がのった注目のプレイヤー、日本初登場の新人と、様々なアーティストの作品を制作し、またジャズ・ヴォーカルもののリリースも多い。アナログ盤をリリースしていた活動初期から録音機材やパッケージに対する強いこだわりがあり、その高い音質とジャケット・デザインの秀逸さもジャズ・ファンから評価の高い点で、現代のブルーノートと形容されることさえある。

さて、そんなヴィーナスの音源を須永辰緒が恒例の『夜ジャズ』シリーズでコンパイルしたのが本作である。近年の氏はヴィーナスに強く心酔しているようで、雑誌の連載コラムやラジオ番組などでも取り上げる機会が増えている。
そうした想いが結晶となって表れたのが本作というわけだ。ヴィーナスという従来からあるレーベル・イメージを打ち出しつつも、そこにDJならではの音の鳴り方を重視したセンスを織り交ぜ、若いファン層へもアピールする選曲となっている。結果として『夜ジャズ』の雰囲気に見事に合致した作品集となっているが、同時にヴィーナスにとっても新たなリスナーへの門戸を開く格好の入門編となることだろう。
　

　
title : 須永辰緒の夜ジャズ digs Venus Jazz Opus 1
2011.10.14 release　
MEDIA:[CD] VHCD-1059
price : ¥1980(tax in)
　
Compiled by Tatsuo Sunaga
Produced by Wakana Hara
Mixed and Mastered by Tetsuo Hara/Venus Hyper Magnum Sound Direct Mix Stereo
　
　

1. Fantasy (6:55) / Harold Mabern Trio from Album“ Fantasy”
2. Magic Of Love (7:06)/ The Moffett Family Jazz Band from Album“ Magic Of Love”
3. Taboo (4:38)/ Bob Kindred Quartet from Album“ Nights Of Boleros And Blues”
4. Invitation (7:21)/ Phil Woods Quintet from Album“ You And The Night And The Music”
5. It’s All Right With Me (3:43)/ Champian Fulton Trio from Album“ Sometimes I’m Happy”
6. Fragile (6:11)/ Rachel Z Trio from Album“ First Time Ever I Saw Your Face”
7. I’ve Got You Under My Skin (3:36)/ Nicole Henry with Eddie Higgins Trio from Album“ Teach Me Tonight”
8. Metti Una Sera A Cena (5:20)/ Danilo Rea Trio from Album“ Romantica”
9. Message In A Bottle (7:33)/ Roma Trio from Album“ Love Is A Many-Splendored Thing”
10. I Love Paris (4:20)/ Marilyn Scott from Album“ Every Time We Say Goodbye”
11. How Are You? (8:45)/ One For All from Album“ The End Of A Love Affair”
12. Moondance (4:15)/ Tessa Souter from Album“ Nights Of Key Largo”